絵を描く意味

今学期から入会してくれたAちゃんは6年生です。

６年生で入会する子は珍しいね、と言われますが

去年も2名の男子が入会してくれました。

Aちゃんと初めて会った時、

お母さんとアトリエのウィンドウに飾ってある絵を見ていました。

声をかけてアトリエの主旨を伝えると目を輝かせていました。

そして数ヶ月経った今、絵を描きながらこんなことを話していました。

「絵を描くことで自分なりの楽しみをみつけたいの。

だから絶対教えられたくないんだ。

教えられたら楽しみが無くなっちゃうと思わない？

自由に描くことで楽しみをみつけているの」

そんなことを話しながら水滴を描いている様子は本当に楽しそうでした。

「どうしたら本当の水のようにみえるかな？」

「そうだね。どうしたらいいんだろうね」

自分でその楽しみを追求することで、

きっとAちゃんの糧になっていくのだろうな、そう思います。

思春期はホルモンのバランスが崩れてやたらモヤモヤイライラする時です。

何を言っても「うざい！」と言われるのはこの時期、よくあることのようです。

でもAちゃんはとても落ち着いているように感じます。

その秘密は家族・・・

入会して、初めてアトリエに来た日に作った作品は「家」

この時のAちゃんのことばは

「こんな家を作るのが夢だったんだ」

そしてその日ダイニングテーブルの真ん中にその作品を置いて夕食を食べながら、家族みんなで団欒したそうです。

Aちゃんは家族に支えられていることを感じ、その光景が浮かんで私も幸せな気持ちになりました。